私はこうして京大に落ちた Part3

私の浪人生活のはじまりは上々であった。模試は好調であり、勉強も楽しかった。

 

そしてこの上昇気流の中、私はますます浮きあがる。浮き上がりすぎて、方向を見誤る。それが私の失敗の始まりだったのかもしれない……

当初、予備校では孤立を極めていた。

 

言うなればコミュ障。今も昔も、友達を作るのは苦手であった。そんな私を横目に、1,2ヵ月経った頃には、私の周りにはちょこちょこと友達グループができていた。

 

それでも私は栄光ある孤立を貫き、しかし時に少し孤独の感傷に浸り、

そのたびに

「予備校は、勉強するために来てるんだ」

と自分に言い聞かせた。

強がりであった。やはりさみしい時にはさみしくなるのだ。人間だもの。

そんな折、事件が起きた。

ある日の休み時間のこと。何の前触れもなかった。

隣に座る女性から、突然声をかけられたのだ。

内容はあまり覚えていない。前回の授業休んだからうんたらかんたらで、前回のノートがうんぬんかんぬんみたいなことであった気がする。あまりに不意打ちであったし、あまりに女性に不慣れであった当時は、知り合いでもない女性から話しかけられたらそりゃあ緊張するだろう。

しかし、これはぼっちを脱却する好機。これを逃したら、おそらく予備校生活ずっと一人だろう。

そうなってたまるか!私は意を決し、話しをつづけた……….

それから、我々は顔見知りになり、授業の前後でたびたび話すようになった。共通の授業は隣で受けるほどになった。

 

彼女は新潟から上京してきたらしい。外大を目指していた。世界史選択であった。顔はすごくかわいいとは言えないが、十分にかわいい方であった。性格は明るく、女性と話すのが苦手な私にも接しやすくふるまってくれた。彼女は優しかったのだ。

しかも、当時私は相当のアニオタであったが、その話もかなり通じる趣味があった。

ガンダムSeedDistinyを笑顔で語る彼女は、まさに天使であった。

私たちは、授業以外でもたびたび会う仲となった。予備校の廊下で語り合ったり、夜通しで電話したり、ノリで東大本郷までいってみたり、都庁のビルまで夜景を見に行ったり・・・

私は、高校時代ついに訪れることのなかった青春を、ここ代々木ゼミナール代々木本校で取り戻すこととなった。

 

そして、案の定、ほどなく私は完全に恋に落ちた。 

 

新宿の河合塾に、中学来の大親友が浪人していた。彼も予備校で同じクラスの女性に恋焦がれていた。

予備校帰り、新宿西口の思い出横丁で、涙流しながら語り合い、励ましあったのをよく覚えている。

もちろん、恋愛の話である。

我々はたびたび会い戦果を報告し、お互い戦果を出せるよう協力し合った。

もちろん、恋愛の(ry

 

まさか予備校にまできてこんな楽しい思いができるとは思えなかった。女性といることの楽しさを、好きな人と過ごす幸せを、このときはじめて知ったのである。本当に楽しかった。うきうきしていた。

浪人してよかった。初めて心から浪人を肯定できた瞬間であった。

…ご察しの通り、勉強そっちのけであった。大体1学期の間は、彼女に恋焦がれ、受験勉強は二の次。

私は、夢のような時間に、身も心をうずめていた。

私の運命やいかに?

次回 Part4 私はこうして京大を志望した

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