私は受験時代予備校に通っていた。代々木ゼミナールである。
なぜ代ゼミにしたかは正直全く記憶にない。周りには河合塾生が多く、代ゼミ生は少数であった。それにもかかわらず代ゼミを選んだ。そして、そこには明確な理由はなかった。
受験が終わった今、代ゼミにいって悪かったという後悔はない。
講師は面白かったし、大切な出会いがあった。どちらかといえば好きだし、予備校だけど愛着がある。
しかし、受験から言えば、私は代ゼミにいったことは正解だったとは言えない。
もちろん、代ゼミは好きだったし、通年通うことができる意欲を引き出してくれた。これは塾としての役割を十分に果たしてくれていたと思う。
でも、よくない部分もあった。それは、代ゼミの放置主義である。
私は自己管理が正直苦手であった。
スケジュールを作ったり、自分に適した授業を探したり。目の前のことは考えられるけど、先を見ることが苦手であった。
だからこそ、自分を客観的に見つめ、俯瞰的にアドバイスをくれる存在が必要であったのかもしれない。
それならば、チューターがうるさいくらい仕事をする河合塾や東進に行けばよかったのかもしれない。
私の経験から教訓を得るとすれば、
「塾の選択も周りの評判に頼らず、自分にとって最適な塾を考えて選べ」
ということになる。
「なんとなくみんないってるから塾いく」
だとか
「受験生になったからとりあえず予備校に行こう」
とかはあまりよくない。
自分の頭を使って考えて、本当に自分の目的にかなう塾を見つけるべきだ。
もし見つからなければ、塾に行くべきではないだろう。
そんなの考えてるけどわからないよ!という方。いるだろう。
そのとおりである。
塾が一つ一つ違うのは当たり前に知っている。問題はそれらが自分に適することが何かわからない。だから選べない。
ここでは、塾・予備校選びはどうすればよいのか。自分なりの考えを述べたい。
○塾に自分が求めているものを具体化せよ
なんのために塾に行くのか。
いろいろあると思う。
良質な授業を求めるのか
自習室がほしいのか
チューターに面倒をみてほしいのか
まず、その目的を明確にするのだ。
塾ごとに持っている武器は違う。
たとえば、東大に強い塾だとか、個別指導で面倒見がいいとか、自習室が使える、などなど。
そうした塾がもつ武器と、自分が求めているものを照らし合わせ、それが合致する塾を選ぶことになる。
「自分が求めているもの」が曖昧であるといけない。
塾はどれも宣伝上手で魅力的に見える。自分の要望が曖昧であると、塾の宣伝に飲まれてしまう。
服を買うとき、ショップの定員に言いくるめられ、つい買ってしまってあとで後悔した、なんて経験はないだろうか。
これは、客が自分のほしいものが明確でないほど陥りやすい。なんとなく服がほしい程度の気分でいくと、定員の語り口に乗せられる確率が高まる。
しかし「今日は断固として冬物の腰丈のPコートを買いに行くんだ」と具体的に自分の目標を明確にすれば、そのような事件を防ぐことができるであろう。
ちなみに、私は服を買うときひとからとやかく言われるのは嫌いだかだから、なるべく専門店は避ける。どうしてものときは上のように目的を具体的にして、断固として口車に乗せられないよう努めている。
だから、塾を探す前に、「自分の求めているもの」=「塾に行く目的」を具体化しよう。
そして、具体化したならば必ず紙に書きだすべし。
頭に浮かんだだけのものは、曖昧な要望であり、意味をなさない。
自分の要望を具体化するとき、自分にとって大切なものを、いくつか項目ごとを作ると考えやすい。
たとえば以下のようなものだ。
・自分の目標は何か。受験か学校の補習か。
・自分の志望校はどこか
・授業は個別はよいか、集団は良いか
・お金はどれくらいまで出せるか
・チューターは必要か否か
・自習室はあるか否か
などなど。
今後この項目に沿って塾を並列比較していけばよい。
大切なのは先手を取ることだ。
相手の魅力的な提案を見る前に、まず自分の中に明確な要望を用意しておくべきだ。
また、うまく自分の要望具体的に浮かばないという人もいるだろう。
その場合は以下の行程を経験しながら探していってもよいだろう。
大切なのは、自分の要望を明確にすることで、塾・予備校の宣伝に負けずベストな選択をすること、である。
○情報を集め、客観的な真実を知れ
情報収集に関してはこのサイトを見てほしい。
受験勉強サイト、一流大学への道の管理人AYA氏の記事である。
やたら口が悪いが、言っていることは正しい。
正しい情報を得るためのコツは
・情報のソースはどこか(匿名の場合は用心)
・一つの情報だけを信用せず、複数の情報にあたる
・自分の要望の要素に合致するか否か考える
ネット上には大量の情報がある。
それらをとにかくたくさん見るべし。
独りよがりに書いているものも含め、全部読む。
そして、複数の中から、共通している情報を抜き取る。
それが「客観的な真実」であり、その塾の真に持つ要素である。
ネガティブやポジティブなもの限らず、すべての要素を抽出するべし。
そして前段階で具体化した「自分の求めるもの」と照らし合わせ、自分の求める予備校・塾を見つけるべし。
○実際に体験してみる
百聞は一見にしかず。
とりあえず試してみることは大事なことであり、実際にやってみないとわからないことの方が世の中には多い。
だから、実際に肌に触れてみる。実際に体験してみて、自分の感覚に合うのかどうか確かめるのだ。
ここはそこまで神経質にならず、基準にするのは
「この授業を受けて成績が上がりそうかどうか」
「受験まで飽きずに継続して受講できるか」
を、直感で判断するくらい。
幸い、塾業界は体験授業など、無料体験講座を設置している塾が多い。
だから、実際に塾を受けてみることをお勧めする。
○神経質になりすぎない
唯一の答えなどは決して存在しません。
河合塾が正解の人は、代ゼミは失敗。というのは全くなく、河合も代ゼミも自分に合ってる、みたいなケースの方が圧倒的に多い。
塾の選択に時間をかけすぎて、勉強の時間を減らすのは本末転倒もいいところだ。
だから、いくつかの塾に行ってみて、比較検討し、それでよいと思ったら決断してしまおう。
もし合わなければやめてしまえばよいし、私は代ゼミに通いながら、河合の講習を受講したりもした。
そんな感じで柔軟に、自分に最もよいように選択していけばよいのだ。
塾・予備校だけですべて決まるわけではないのである。
しかし、塾や予備校は受験勉強にとって大きな影響を及ぼす。
塾・予備校を上手に利用し、受験勉強を加速させよ。
Tips 塾・予備校の選び方
① 自分が必要としている「要素」を考えよ
② 情報を収集して客観的な真実を知れ
③ 実際に体験してみる
④ 神経質になりすぎない
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