予備校教師時代、私が生徒に「過去問やった?」と聞くと、よくこう返ってくる
「もったいないので、直前にやるためにとっておいてます」
気持ちはわかる。
気持ちはわかる・・・・・が・・・・
残念ながら「過去問を直前にやるようなやつは落ちる」
これは声を大にして言っておきたい
もし過去問を直前に解いたとしよう。
それで、ボロボロで合格点に全く届かなかったらどうする?
いまさら志望校を変えるのか?
あきらめて突撃するのか?
なんにせよ、モチベーションは下がるだろう。
受験当日も不安でいっぱいになる。受験のプレッシャーに押しつぶされ、しっかりとした実力が出ないかもしれない。
そして結果は・・・・・・
・・こんな風にならないためにも、過去問は直前期にまでとっておくべきではない。
何のために過去問をやるのか
過去問をやる意味は何か。
それは、ただ単に点数を測って一喜一憂するためではない。
過去問をやる意味。
それは
志望校に受かるための勉強を知るため
これである。
他にもやる意味はいくつか考えられるがこれが最も必要なことだ。
どのような問題が出て、どのような難易度で、点数配分はどのくらいで、などを分析する。
そして、それによって「その大学に合格するためには何をすべきか」を知る。
そのために過去問は解くのだ。決してあなたの現時点での学力を知るためのものではない。
あまり難しく考える必要はない。
「いまのレベルでは難しい」ということを知るだけでも、心に火がつき、モチベーションがぐっとあがるだろう。
また、1度やっておくと、「こういう問題がでるのか」と頭にやきつく。その後、勉強するときはそのことを気づかずとも意識することになる。
これが大切なのだ。こうなれば、意識せずとも、合格に必要な勉強を選ぶようになり、勉強の質がぐっと高まる。
自分の志望校の問題に早くから肌で触れること。これが大切なのだ。
いつ過去問をやるべきか
かといって、何も受験勉強をはじめて間もないよちよち歩きのときに無理してやることはない。
第一志望の過去問は、基礎が大体ついてきたくらいに1度やってみるべきだ。
なぜ基礎がついてきてからなのか。
それは、ある程度の基礎がないと、正確に過去問を分析できないからである。あまりにもわからな過ぎると、難易度などもはかりにくいし、分析どころではなくなってしまう。
時期でいうと、8月くらいに各科目1年分くらいやっておこう。また、実際に解いてみて、難易度を肌で感じることは大切である。
過去問ができなくて、やばい勉強しなきゃとモチベーションが高まるであろう。
傾向と対策を読むだけではだめなのか
数学社の赤本には、巻頭にその大学の過去問の分析である傾向と対策という項がある。
あそこに書いてあることは間違えとは言わない。
但し、あまりにもおおざっぱすぎる。
大体、難易度が標準です、とか書かれていても、何の対策ができるというのだ。しかも、私の見た限りでは、あそこで紹介されている参考書の類は、割と的外れなものが多いように感じる。
傾向はともかくとして、対策の項は参考程度にとどめておくべきだろう。
で、やはり実際に問題を解いてみるべきだ。
先ほども述べたが、自分の肌で実際に感じてみるべきである。入試問題は、大学ごとに作られている意図が違う。そのため、解答に至るプロセスは、大学ごとに異なったりするのだ。
国語の現代文などは顕著だ。
たとえば、早稲田大学の問題の解答は、問題の選択肢に本文の記述がそのまま入っているものは、結構な割合で間違えになる。しかし、上智大学の問題は、正答の選択肢に本文の記述内容がそのまま入っていたりする。
となると、早稲田大学の過去問に慣れたままで上智大学の問題を解けば、点数はさほど取れないであろう。こうした細かい問題の作りは、実際に問題を解いてみないことにはわからないであろう。
1年分だけとけば良いのか?
1年分を夏あたりに解いたら、他の年度はどうするのか。
結論としては、どんどん他の年度も説いていこう。
最初に過去問を解いた際に、課題が浮かびあがるだろう。
その課題を克服するために、対策を立てる。この問題集をやるとか、あの授業を取るとか。
そして、それを実行するのだが、その対策が必ずしも正しいかどうかはわからない。
もしかしたら、間違った方向に進んでいるかもしれない。
そこで、適当な時期にもう1度過去問を解き、自分の対策が間違っていないか確認していくのである。
大体1か月おきくらいに過去問実施日を設け、定期的に実力を確認する。
結果が上がっていたらOK
上がっていなければ、勉強法を見直すべし。
過去問の結果を気にしない
過去問はできなくたっていいんです。
だって本番じゃないんだから。
本番できるためにやるものだと割り切って、どんどん解いていてください。
多少気にするかもしれない。
でも、それが本番じゃなくてよかったと思った方がよい。
そして、過去問を早めにやって対策をやっていくことは絶対にあなたを裏切らない。塾講師時代でも、8月くらいに過去問をやらしてみると、手も足も出ないという状態で、「先生、過去問はまだ早いです」と半泣きで訴えてくる。
しかし、その恐怖(?)から、過去問を意識し、無駄のない勉強を心がけようとする。無意識的に過去問を克服しようとするのだ。
定期的な過去問演習で徐々に結果が出始め、桜咲くころ、彼らは合格を手にする。。。
結論。
過去問は直前期まで取っておくな!
基礎ができたらすぐやるべし!
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