私はこうして京大に落ちた Part7【偏差値70の英語学習の軌跡】

受験体験記

浪人となり、本格的に京大に向けた勉強を始めたのは8月からであった。
とはいえ、8月はほぼ100%の労力を数学に費やしたため、他の英語・国語・日本史の2次対策を始めたのは、9月後半からであった気がする。

私は英語が最もの得意科目であった。浪人時代の偏差値は、ほぼ70を超えていた。受験戦略においても、英語の得点への期待は大きかった。
英語で他の受験生を圧倒し、その他の教科は並みの点数を取れればよいという戦略であったため、英語学習は成績が高かろうが緩めなかった。

今回は趣向を変え、私のこれまでの英語勉強の取り組みと、京大2次英語対策の記録をまとめたい。
浪人時でこそ偏差値70であったが、現役時は50そこらであった。偏差値20アップは受験時代の努力によるものだ。

京大志望者はもちろんのこと、英語を得意科目にしたい受験生にも参考になると信じる。

 

英語学習の軌跡

【浪人時の英語学習戦略】

京大入試は記述中心な故、これまでとは違う対策が必要になった。
浪人時の英語対策の方針とは

「英作文・和文英訳の徹底攻略」

現役時代ほとんど触れなかった、記述対策が学習の中心であった。
記述問題はほとんどの私大志望者にとっては無縁だと思うが、個人的にはこれこそが英語学習の肝であり、 英語の成績を飛躍的に伸ばすことにつながる、最高に近い英語学習だと思う。

記述対策をしっかり行ったおかげで、年間通して偏差値は70切らなかったし、京大プレでも60は超えることができた一番の要因だと思う。 入試本番でも私大国立に関わらず、英語の手ごたえだけはあり続け、受験を通して私の得意科目として君臨してきた。

以下でその具体的な対策方法を述べる。

【単語・文法】

単語王2202/オー・メソッド出版
¥1,365
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全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)/桐原書店
¥1,449
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解体英熟語 改訂第2版 [ブック型] 必修語~重要語までの1017語/Z会出版
¥1,050
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単語学習は英語の成績を上げるのに最も必要なことだ。

少しでも不安を覚えるなら、しっかり取り組んでほしい。やるべきことが複数あっても、単語学習を一番の優先順位にすれば、間違いない。これは、どこの志望にもかかわらず、どのレイヤーの受験生にも当てはまる事実である。単語は現役時に1冊完璧にしたが、浪人時もメンテナンスとしてのやり直しや、新たな単語を貪欲に覚えていった。

単語王・頻出英文法は現役時代に終わらせていたが、前述のとおりどこを聞かれても答えられるレベルにまでやりこんだ。解体英熟語は浪人してからやり、一通り暗記した。単語・文法に比べればそこまで力は入れていない。

 

【構文】

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式/代々木ライブラリー
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賛否両論の参考書だが、とても面白い参考書であった。 しっかり構文を取ることの大切さを知るし、ここで出会った構文がそのまま入試に出るということはないかもしれないが、 「難解な長文読解に臨む態度・姿勢」を身に着けられることは非常に有益だと思う。構文の参考書は他にも名著が多いが、この1冊で十分だと思う。

【英作文】

大矢英作文講義の実況中継―高2~大学入試 (実況中継シリーズ)/語学春秋社
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実戦編 英作文のトレーニング/Z会出版
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大学入試最難関大への英作文―書き方のストラテジー/桐原書店
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英語対策の中心は英作文。

中心は代ゼミの授業であり、4月当初、英語の授業は4つ(文法、構文、長文、英作文)あったが、 9月以降も受講したのは英作文のみであった。授業は100題の頻出英作文の解説を前期に、後期は長文英作、自由英作などの入試実践という形であった。

個人的に英作文対策の要点

(1)豊富な例文暗記
(2)文法・語法の知識
(3)英語として成立しやすいよう日本語の言い回しを変える能力

であると考える。

私は、まずは予備校のテキストの100個の頻出例文の暗記に努めた。 例文暗記は英作文の基礎であり、駿台700選の丸暗記を勧める先生もいる。文法・語法の知識は、言うまでもなくベースなので、しっかり行う。京大でさえも、当たり前の知識は問われるので、手を抜かない。そして、(3)英語として成立しやすいよう日本語の言い回しを変える能力は周囲と差をつけるためには必須のものである。

京大英文法問題を解いていると、どうしても「そんな単語・言い回ししらねーよ」ということになろう。それに真正面から対抗する(その日本語にあたる英単語・熟語を覚える)とキリがない(もちろんそれ大事だが)。

なので、「直訳にはならないけれど、日本語の意図に合ってる英語表現を書く」ということが必要である。日本語は、一つ一つの語句の意味が曖昧であり、包括する意味範囲が多い。 それに比べ、英語は一つの語句の語義が狭い。 そうした言語間のギャップを埋めることが受験英作文では求められる。

これは知識を増やすというか、考え方をいかに自分に慣らしていくかという問題だ。だから私はたくさんの未知の問題を解いた。

 

【英文和訳】

英文和訳演習 (上級篇) (駿台受験シリーズ)/駿台文庫
¥795
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京大入試の中心である英文和訳対策。 ビジュアル英文解釈の著者である駿台伊藤氏のものであるが、 これは本当に良書だと思う。 入試では「出題意図を見抜くこと」が肝要であると思うが、英作文、英文和訳等記述対策では、 志望校の採点基準を想定し、それに合わせて記述すべき要素を逆算して回答する能力が求められる。

この参考書では、英文和訳の採点基準を考える土台を作ることができた。その後の過去問演習に大いに役に立った。 もちろん逐語訳では点数が取れないため、たとえば無生物主語の場合のうまい訳し方など、 和訳のテクニックも載っている。

 

【過去問】

京都大学(文系) (2013年版 大学入試シリーズ)/教学社
¥1,995
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25か年は時間的に余裕がなく、ふつーに赤本をやった。 但し英作文の授業で京大の問題が扱われたし、 冬期講習での京都大学英語の授業でそれなりの対策はした。

過去問で考えてほしいのは、「どのように採点されるか」である。京大は無茶な問題が結構あるから、満点は無理だ。得点を積み重ねるか勝負である。模範解答をみながら、一つ一つの問題の採点のされ方をイメージしてほしい。この部分を訳すと、1ポイントで、この構文ができているとさらに1ポイント、みたいな感じで、採点基準を作ろう。

そして、合格基準点と照らし合わせながら、「どこが落としてよいところで、どこが落としてはいけないところ」か、自分の実力を鑑みながら考えてほしい。全く得点のイメージが湧かないものと、まぁこれは頑張ればイケそうだな、というのが感覚的にわかると思う。

落としてはいけないところや、イケそうなところが、今すぐに取り掛かるべきところだ。無理そうなところは後回しでよい。

過去問は、その後の勉強の優先順位をつけるためにやるものである。それをしっかり意識できれば、道を外すことはない。

 

以上が英語の対策である。
最後に、英語学習に限らず、一番大切なことは最短距離を測ることと根気である。
冷静と情熱の間を、うまくバランスとりながら、勉強してほしい。

次回:不安の闇

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