私はこうして京大に落ちた Part12

私はこうして京大に落ちた Part12

赤本

2限目。国語。

私はいつも通り古文から取りかかった。

作品は『一本菊』。
非常に読みやすく、
また、センターのパターンにもはまっている部分が多く、
自信を持って解答できた。

この2008年センター古文は、のちに塾講師になった後も
よく授業で使っていた。
センター試験のお手本のような問題であった。

古文を目標時間内の15分で終え、
漢文に取り掛かる。

漢文もこれまた読みやすいものであった。
サクサク解ける。マークする筆が進む。

漢文も15分以内に終え、
折り返し現代文へ。

1限目の日本史とは打って変わって
調子は良かった。
これは、いける。
苦手な古文を乗り越えた。

評論文、作品は「かんけりの政治学」。

鬼ごっことか缶けりとかがテーマなのだが、
その考察がなかなかに哲学的で、
読みやすいとは言えない文章であった。
選択肢もややこしく、全体として難しく感じられた。
実際、あとで東進から、やや難化の評価がつけられた。

かなり苦戦し、ここで30分近く費やしてしまった。

残り20分・・・・・
間に合うか。

最後の小説は『雨の庭』という作品。
家を手放すことになった主人公の
苦悩を描いた話で、
なかなかない辛辣な物語であった。

 

止まる暇はない。
できずにじっくり考えるよりも、
素早く最後まで解く方が得点になることを
経験的に知っていた。

一つ一つ。
丁寧、かつ迅速に。

 

残り5分。
問6。36個目のマークシートを塗り終える。
時間内に解き終えることができた。

これで、最悪の事態を免れることができた。

 

あとは見直して、
マークを塗りなおすだけだ。

 

私が自分のマークシートの異常に気付いたのは、その時であった。

小説問題、問6、
マークシート番号20番。

その下に、あってはいけない空欄のマーク欄がある。

マークシート番号21番が、マークされていないまま、
22番以降、しっかりマークされていた。

 

間違えたのだ。

古文からスタートした。
その古文の最初のマーク箇所が
一つ後ろにズレていた。

そのため、古文以降の問題は全て間違えてマークしたことになる。

 

残り1分。
今からマークシートを書きなおすか・・・?

いや、だめだ。
今からすべて消してしまったら、
マークが間に合わない。

しかし、古文以降すべてがミスしているとしたら、
点数は相当低くなる。
これまでのセンターは古文での得点で、
苦手な現代文得点をカバーしていた。

古文がラッキーで1,2問取れていたとしても、
100点に満たないだろう。
下手したら50点にも満たないだろう。

どうする。

どうする?!

どうする・・・・・・・?

 

そうして、
80分の終わりのチャイムが鳴った。

それは、
私のセンター試験の、
私の受験生活の、
私の、京大受験の、
終りを告げるチャイムであった。

 

その後の英語試験は
ほとんど記憶にない。
無心、心ここにあらずといったところであった。

帰宅し、自己採点を行った。
現代文は、出来が悪く
評論・小説合わせて50点程であった。

そして、
古文・漢文は100点であった。
合わせて150点であった国語の総得点は、
マイナス100。

私の国語は、25%の得点となった。

 

その夜私は、
声をあげて泣いた。

それ以降の受験勉強は全く身に入らなかった。

毎日毎日、2chの受験板に張り付き、
自分より低いセンターの点数で京大受験に望む人間を探した。
下を見て安心したかった。

卑屈になっていた。
自信などすっかり消えてしまった。

京大受験は、足切りだけは運よく免れた。

 

2/26、大雨の中の京大受験は、
身体も、出来も、冷え切っていた。

 

こうして私は、京大に落ちた。

あの日の雨は、今も心に振り続けている。

 

次回:Part13 エピローグ~そして伝説へ~

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